WiMAXを契約して利用されている方の中には、なぜだか回線のつながりが悪かったり、電波の受信状況が悪かったりする方がいらっしゃると思います。
通信回線の速さが持ち味のWiMAXなのに、電波が届かなければ快適にインターネットができませんよね。
実は、その電波状況の悪さは、いくつかの対策をすることで劇的に改善することができるかもしれません。
この記事では、そんなWiMAXの電波状況を改善する方法や、なぜ電波状況が悪くなるのかの原因、WiMAXの電波の強いのか?についてご説明したいと思います。
この記事に書かれている方法を試すことで、今悩んでいる電波状況の悪さを払拭して、WiMAXの強みを十分に発揮できるようにして、より良いインターネット通信を楽しみましょう!
目次
1.Wimaxの電波が遅い原因

WiMAXの電波が届きにくい原因は、次の5つのことが考えられます。
何が原因で届きにくいかわからないときは、次のような条件に当てはまることが多いものです。
- 周波数が高い
- 高い建物がある
- 建物内に弱い
- 電波の弱い地域にいる
- 制限がかかっている
ここからは、ひとつずつ詳しく原因についてご紹介します。
1-1.周波数が高い
WiMAXが使用している通信回線では、他の会社の回線と比較してもかなり高い周波数帯(2.5GHz)を使っています。
一般的に、周波数が高ければ高いほど、高速通信が可能となります。
WiMAXの高速通信の秘密は、この高い周波数帯にあります。
また、周波数帯が高くなればなるほど電波はまっすぐ進むので、障害物を回り込んで届く、ということが苦手となります(周波数帯が高くなればなるほど直進性が強くなり、回折性(回り込む力)が弱くなります)。
周波数帯が高いということは、普通の電波よりもまっすぐ進む傾向にあります。
そのため、ルーターと端末の間に何か障害物があると、電波が届きにくくなります。
例えば、家庭内でルーターを使う際に、ドアや部屋の壁が電波を遮ってしまい、電波が弱くなることもあります。
1-2.周りに高い建物がある
まっすぐ進む電波の性質上、高い建物があるとそこで電波が遮られてしまいます。
屋内では部屋を隔てたり、ドアなどで電波が遮られたりしていましたが、屋外では、ビル街に入った時などに突然通信ができなくなることもあるようです。
壁ということは、トンネルも同様です。
このような場所に行く際は、電波状況に気を付けて使用することをおすすめします。
1-3.建物内に弱い
建物の種類によっても、電波が届きにくくなる場合があります。
例えば、分厚いコンクリートの壁や、鉄筋入りの住宅に住んでいたり、何層ものドアがあったりする構造だと、直進する電波の性質上、電波状況が悪くなることがあるようです。
また、周波数の関係で、網の入ったガラスも通り抜けることが難しいため、そういったガラスの窓際での利用は気を付けましょう。
1-4.電波の弱い地域・エリアにいる
電波の強弱は、ルーターを使用するエリアや地域によっても異なります。
たとえば、都市部に近いところでは高速通信の受信可能エリアが集中しています。
一方、郊外や田舎など、電波の届きにくいエリアに行った場合、どうしても受信する電波は弱くなります。
そのような時は、自分が今いるところが電波の届きやすいエリアにいるかどうかを確かめてみてください。
以下のリンクを使って、自分の利用エリアの電波状況を確かめることができます。
https://www.uqwimax.jp/area/wimax/
このサイトを利用することで、今お使いのエリアでWiMAXの電波がちゃんと使えるかどうかの判定ができます。
1-5.通信制限がかかっている
そもそも、データの通信制限がかかっていて、通信速度自体が遅くなっている可能性があります。
通信制限は、データ通信量のプランによってデータ通信量の上限の有無が変わりますので、今お使いのデータ通信プランで不便を感じておられる方は、現在契約しているプランとは別のプランを検討するとよいでしょう。
WiMAXデータ通信のオススメプラン
WiMAXの提供するプランには、データ通信量7GBが上限で安価なプランと、少し値段はかかりますが、データ通信量の上限が無制限のプランがあります。
今現在、7GBが上限のプランを利用している方は、データ通信量が無制限のプランに切り替えることをおすすめします。
たくさんのデータをやり取りしたり、動画などを良く視聴したりするヘビーユーザーな方は、制限なしのプランを契約することをおすすめします。
逆に、あまりインターネットを使わない方は、上限ありの比較的安価なプランを契約されることをおすすめします。
動画の視聴などを長時間しなければ、上限を超えることはまずありません。
また、WiMAXにおいては、これらの2つのプランについては、月が替わるごとにプランの切り替えが可能です。
ご自身のデータの使用状況に応じてプランの切り替えをすることで、通信料の節約にもつながります。
2.電波を強くする方法6選

ここからは、電波が届きにくくなる条件や原因について解説しています。
以下の方法を試すことで、更に電波状況の改善が見込めるかもしれません。
電波を入りやすく、強くする方法を6つご紹介します。
2-1.ルーターの置く位置を工夫してみる
電波は、ルーターの置く位置で受信環境が大幅に変わることがあります。
ルーターを置く位置を工夫してみましょう。少しの工夫で、電波状況は結構改善されます。
なぜなら、ルーターは、内蔵しているアンテナによって外部の電波の送受信を行っているからです。
まずは、基地局からルーターに届く電波の状況がどのようなものかを検討しましょう。
電波は解放されたところの方が届きやすいので、アンテナが電波を受け取りやすいところに設置しましょう。
一般的に、周りに余計な建物やビルがない場所が、最も電波の受信環境に適しています。
例えば窓際や壁際にルーターを置くことで、電波の送受信が快適にできるようになる場合があります。
このほかにも、高い場所にルーターを置くのもよいでしょう。
例を挙げると、1階より2階の方が、電波が届きやすい傾向にあります。
この時、使用する端末とルーターの間に障害物がないかどうかも確認しておきましょう。
2-2.クレードルを使う
「クレードル」という周辺機器を使うと、電波状況がよくなることがあります。
クレードルというのは、主にモバイルWifiのルーターを立てて置いておくことのできる台のようなもので、モバイルWifiのルーターを購入・レンタルしたときに付属することがほとんどです(別売りの場合もあります)。
クレードルの主な使用目的は充電ですが、有線のポートを備えているものもあります。
この場合は、有線でつないだり、ルーター自体を接続したりすることで、ホームルーター(据え置きのルーター)として使うことができます。
また、クレードルを使うことで、ルーターをしっかり固定することができます。
固定することで、持ち歩く時とは違って、アンテナが電波をとらえやすくなりますので、電波改善を期待できます。
2-3.ホームルーターを使う
現在、家庭で光回線などを利用されている方には、替わりにWiMAXのホームルーターを使うこともおすすめです。
なぜなら、WiMAXのホームルーターは光回線と異なり、工事不要ですぐに使い始めることができるのが強みです。
家のコンセントにつないで簡単な設定を行うだけで、すぐにインターネットを楽しむことができます。
光回線を契約するときは、シーズンによって契約完了から工事、利用可能までに長い期間がかかることがあります。
また、WiMAXのホームルーターはどの部屋にも持っていくことができるため、家の中であれば部屋を気にせずインターネットの環境を使うことができます。
一般的に、モバイルルーターよりもホームルーターは電波の強度が強く、遠くに電波を飛ばせるため、家の中でも各部屋で安定したインターネット通信が可能になります。
一般的に、モバイルルーターはバッテリーの消費があるため電波が弱く、そばにある端末しか接続・使用できないのですが、WiMAXのホームルーターだと、電池消費などを気にせず使うことができます。
家族で、家の中で安定してインターネットを使用することが目的の方におすすめです。
2-4.ハイスピードプラスエリアモードを利用する
WiMAXの通信手段には、auのLTE回線を利用した、ハイスピードプラスエリアモードというものがあります。
このモードは、WiMAXの提供するエリアのうち、地理的に電波が届きにくいエリアの電波をauのLTE回線を使ってカバーするというもので、利用者の判断の元、この通信手段との自由な切り替えが可能です。
auの提供する電波は、回り込みやすい性質の電波を使っていますので、広いエリアでの利用が可能となっています。
ハイスピードプラスエリアモードを利用するときの注意点
ハイスピードプラスエリアモードを利用する際の注意点が2つあります。
ポイントその①有料である
別途料金1005円がかかる点については注意しましょう。
ハイスピードプラスエリアモードは、オプション機能です。
一度でもハイスピードプラスエリアモードを利用すると、その月に1005円のLTEの利用料がかかってしまいます。
ポイントその②使い放題のプランであっても通信制限がかかることがある
例えば、データ使用量の上限がないプランに入っていても、ハイスピードプラスエリアモードを利用すると、通信制限の対象になることがあります。
WiMAXやauのデータ通信プランにはデータ通信量7GBが上限のプランとデータ通信量が無制限のプランがありますが、無制限のプランに入っていても、ハイスピードプラスエリアモードには月に7GB以上の制限があり、それを超えた通信をしてしまうとその月内で通信制限がかかってしまいます。
WiMAXのネットワークで高速通信モードを使おうとしても、通信制限がかかってしまった状態のままとなります。
2-5.エリア改善要望を出す
UQコミュニケーションズに、エリアにおける通信改善の要望を直接出すことができます。
会社や自宅などでインターネットを利用したり、カフェなどの屋外で利用したりする際、特定の場所で電波が入りにくいところがあった場合、エリア改善要望をWiMAX側に提出しましょう。
これらの要望は、UQコミュニケーションズのサイトより提出することができます。
この報告を行うことで、エリア内で電波が入らなかったり、入りにくい状況だったりすることをUQコミュニケーション側に把握してもらうことができます。
2-6.UQ宅内アンテナを設置してもらう
UQコミュニケーションズに直接WiMAXのアンテナを設置してもらうことができます。
UQ宅内アンテナというサービスは、小型のWiMAXの基地局を自宅に設置してもらうことと同じです。
どうしても自宅で電波が入らない、届きにくいといった場合に、UQコミュニケーションズが初期費用や工事費、月額利用料を負担してアンテナを設置してくれます。
このアンテナ設置よって、自宅内での電波状況は完全に改善されるといっても過言ではありません。
ただし、適用されるのは自宅内だけですので、最寄りの利用先での電波環境が一概に改善されるとは限りません。
また、このサービスが利用できるのは、auが提供している光回線でのプラン「auひかり」や、「J:COMネット」「フレッツ光ネクスト」などの契約者だけとなっていますので、注意が必要です。
UQ宅内アンテナは、小型のWiMAX2+の基地局になるため、宅内アンテナ設置者は「運用人」になる必要があります。
この時、細かな利用規約などがありますので、詳しくは下記リンクをご確認ください。
https://www.uqwimax.jp/area/femto/
※電波の干渉について
例えば、家庭内では、ルーターの他に電子レンジやブルートゥースの機器などにより、電波の干渉が起こることがあります。
このような電波干渉の影響を減らすには、使用している周波数を5GHz帯に変更することで干渉を起きにくくすることができます。
使用している周辺機器のブルートゥース接続をOFFにしたり、他の電子機器からルーターを離すのもよいでしょう。
少しでも他の電波の干渉を防ぐことが肝心です。
3.パラボラアンテナ

自分でパラボラアンテナを作って、電波状況を改善できることはご存知でしょうか。
ここからは、パラボラアンテナを自作することによって、WiMAXの通信速度が最大で2~4倍以上になるかもしれない、という奥の手をご紹介したいと思います。
3-1.作り方
用意するもの
実は、パラボラアンテナは100円ショップで売っているもので簡単にできてしまいます。
- まな板立て(ボウルが自立するもの)
- 金属製のボウル
では、実際に作り方をご紹介します。
たった2~3工程ですので、誰でも簡単に作れます。
- まな板立てをボウルが入るように曲げる
- そこにボウルを置く
- クレードルを付けたルーターを置く
以上です。
このほかに、少し変化を加えるだけで、もっと早い通信速度を実現することもできます。
その変化とは、次の4点です。
- WiMAXの基地局の方にルーターを向ける
- パラボラ部分を大きくする
- パラボラ部分に対し、ルーターを真正面よりも若干下に置く
- ざるにアルミホイルをまく
このことを追加するだけで、格段に電波の状況が改善します。
3-2.効果
パラボラアンテナ(ボウル部分)が電波を一点に集中させ、ルーターのアンテナに届けることにより、通信速度の速さを生み出します。
実際、速度を計測したところ、通常時の約2~4倍もの速さが計測されました。
※注意点
あくまでも家庭の中で利用するものなので、外出先にて使用することはあまりお勧めできません。
3-3.速度測定方法
回線速度を計測するには、以下のようなサイトやツールを使うとよいでしょう。
実際の電波状況はもちろん、自作のアンテナでちゃんと速度が出ているかどうかのチェックにもなります。
回線速度を図るのに役立つサイト・ツール4選
その① Google 速度テスト
Googleが提供している、インターネット回線速度測定ツールです。
従来の測定ツールではFLASH(アドビ社が提供するコンテンツ)を使用していたこともあり、スマートフォンからの測定が簡単にできないものがありましたが、このGoogleのスピードテストはスマートフォンからでも簡単に回線速度を測定することができます。
Google 速度テストの使い方
- ブラウザでGoogleにアクセスする
- スピードテスト”と入力する
- 「速度テストを実行」を選択する(クリックorタップ)
すると速度のテストが始まり、テストが完了したら、ダウンロード・アップロードの速度が表示されます。
この時、インターネットの速度の評価が表示されるので、回線速度を確認することができます。
その②BNRスピードテスト
古くからある、老舗の速度測定サイトです。
非常にシンプルな、Flashを用いた方式の速度測定サイトです。
Chromeを使用しており、下り、上り速度をそれぞれ測定して表示してくれます。
また、Flash Playerに対応していないスマートフォンでも、画像読み込み版でテストすることができます。
携帯電話用のQRコードから測定することも可能です。
時間もかからず、すぐ結果を教えてくれます。
回線を提供しているサービス別の速度の情報を見ることもできます。
その③SOKUDO.JP
ワンクリックで速度を計測してくれるサイトです。
Flash Player やJAVAなどのソフトがいらないので、気軽に速度測定ができます。
自宅の回線速度だけではなく、周辺エリアの測定結果もあわせて表示してくれます。
測定結果は遡って確認することができ(履歴の閲覧)、結果をSNSで共有も可能です。
また、インターネットの通信速度が遅いときの速度向上方法や、チェック項目も用意されていますので、困った時に確認してみるのがおすすめです。
その④USEN
USENの速度測定は、フレッツ光回線かそれ以外かで分けて測定することができます。
測定はワンクリックでできます。
特徴的なのは、測定結果の表示方法です。
多くの測定サイトが数値だけの表示である中、USENでは動物の画像がコメントつきで出てくるので、見た目である程度の速さを直感的に判断することができます。
注意する点は、Flashを使用しているので、非対応機器では使えない点にあります。
4.他社のWifiはどうか?WiMAXと比較!

ここまで、WiMAXの電波の通信状況について解説してきました。
実は、WiMAX以外にも「ポケットWiFi」としてWiFiルーターと通信回線を提供しているところがあります。
4-1.ポケットWiFiとは?
ポケットWiFiとは、持運び可能なルーターのことです。
回線工事不要で、屋外屋内に関係なくインターネット通信を行うことができます。
機器自体はどこの会社もほとんど同じものを提供していますが、接続する周波数帯が各々異なります。
では、ポケットWiFiの提供をしている各社について、簡単に比較していきましょう。
Ymobile 使用周波数 900MHz 1.7GHz 2.0GHz |
Yahoo 使用周波数 900MHz 1.7GHz 2.0GHz |
Au 使用周波数 700 MHz 800MHz 1.5GHz 2.0GHz |
Softbank 使用周波数 900MHz 1.7GHz 2.0GHz |
docomo 使用周波数 700MHz 800MHz 1.5GHz 1.7GHz 2.0GHz |
ポケットWiFiには、WiMAXとLTEの2つの種類があります。
LTEは全国的につながるエリアが広く、アップロードの速度に特化しています。
電波の性質上、障害物を避けて届くので、広範囲で利用可能です。
LTEの運用で気を付けることは、通信制限です。
通信会社それぞれの回線の使用量が決まっているため、各社1ヶ月間に使用できるデータの通信容量の上限が決まっているため、その上限を超えると通信速度が制限されてしまいます。
一方WiMAXはUQコミュニケーションズが提供している独自の回線で、受信の速度、ダウンロードの速度に特化しています。
こちらは電波の性質上、高速の通信が可能ですが、障害物が多いとすぐに電波が弱くなる傾向があります。
屋内での利用をするには、周囲の環境をリサーチしておくと安心です。
Softbank(ワイモバイル・Yahoo)
ソフトバンクとワイモバイル、Yahoo!Wifiは互いに系列会社であり、同じ通信回線を利用し合っています。
ですので、エリアでつながりにくさを感じることはほぼないといえます。
系列会社とはいえ、各社で契約のプラン内容が違っているので、それぞれの強みを持っています。
au
auはWiMAXの系列会社であり、auのインターネット通信の回線はWiMAXと同じものを使っています。
WiMAXとauの通信の合わせ技によって、広い範囲での高速通信が可能となるプラン(ハイスピードプラスエリアモード)があります。
データ通信量には十分注意が必要になりますが、出張や旅行、郊外に出かける際に役に立つサービスが揃っています。
docomo
docomoは、国内最大級の通信エリアを誇ります。
つながらない所はないといっても過言ではありません。
多くの周波数帯を持っていることが、つながりやすさの証明となっているように思います。
主要な駅や空港にWiFiスポットがあるので、そのような施設でデータ通信量を気にせず利用することができます。
まとめ
電波が悪くなる原因と、その対処法はわかりましたか?
WiMAXの電波は、強い周波数で高速に通信できる電波ですが、一方ですぐに弱くなってしまう電波です。
一般的に、ルーターは電波の送受信を行う機器ですので、電波が届かなければ意味がありません。
いくら高速で通信ができるWiMAXといえども、電波状況が悪ければその特徴を活かすことができません。
この記事を読んで、WiMAXの電波の特徴を理解していただき、つながらない時の対処を学び、高速で快適なインターネットを楽しんでいただけたら幸いです。
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