5Gは、これまでのスマホの通信回線であった4Gに次ぐ新しいサービスです。
「5Gにすれば、通信速度が速くなる」とCMなどで宣伝されているのを見たことがある人もいるでしょう。
現在、光回線を使っていて「速度的に5Gに乗り換えた方が良いのか?」と思ったことはありませんか?
本記事では、5Gの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説しました。
また、5Gと光回線について特徴を比較しています。
光回線からの乗り換えを考えている方や自分に合った通信回線を選びたい方は参考にしてください。
目次
1.5Gはこれまでと何が違うか3つの特徴から探る

5Gは第5世代移動通信システムの略で、5th Generationの頭文字をとっています。
5Gは、現在まで主流になっている第4世代の4Gと何が違うのでしょうか。
主な特徴は以下の3点です。
5Gの3つの特徴を軸にみていきましょう。
1.高速・大容量
5Gは、4Gと比較して通信速度が速いという特徴があります。
キャリア3社の現在の5Gと4Gの速度を比較していきましょう。
キャリア | 5G | 4G |
ドコモ | 4.1Gbps | 1.7Gbps |
au | 3.4Gbps | 100Mbps |
ソフトバンク | 2Gbps | 125Mbps |
5Gの速度は将来的に20Gbps以上になると予測されています。
2時間の映画のダウンロードで5分かかっていたものが、約3秒まで短縮されるでしょう。
高度な技術を組み合わせることで、これまでにない高速・大容量の通信ができるようになりました。
高速通信のため、4Kや8Kといった高画質な動画をストレスなく視聴でき、大容量ファイルのダウンロードも短時間で済ませられます。
2.低遅延通信
5Gは、遅延を最小限に抑えることが可能です。
遅延とは、データ通信の遅れを指します。
インターネット上でビデオ会議をした場合、相手のリアクションに遅れがあると感じたことはありませんか?
5Gは、4Gと比較して遅延が10分の1になると言われています。
対面でのやりとりのように、スムーズな会話や通信が可能です。
3.多数同時接続
5Gでは、多数の人が同時に通信を使っても遅くなりません。
これまでの4Gでは、同時接続ができたのは10万台/㎢でした。
5Gになると、100万台/㎢の同時接続が可能になります。
送受信する電波を少なくし、混雑を回避する方法を5Gで採用しているためです。
5Gならば、多数同時接続をしても混雑せず、速度が遅くなりません。
2.光回線と比較した場合の5Gの3つのメリット

5Gはさまざまな可能性を秘めた通信技術として注目されているものの、現在広く使われている光回線とは何が違うのでしょうか。
一覧にして比較していきます。
5G | 光回線 | |
最大通信速度 | 4.7Gbps | 1Gbps |
通信制限 | あり | なし(一部例外あり) |
料金 | 7,650円~8,480円 | 4,000円~6,000円 |
本項目では、光回線と比べながら以下の5Gのメリットについて解説していきます。
光回線よりも5Gの優れている点を知りたい方は、参考にしてください。
1.光回線よりも回線速度が速い
5Gの最大速度は、将来的に20Gbpsまで向上するといわれています。
光回線の最大速度は1Gbpsであることを考えると、5Gは10~20倍速いです。
実際に光回線と5Gを利用している人の口コミを見てみましょう。
CATVのネットワークがあまりに遅くて1月にソフトバンク光に切り替えました。
速度はまあまあかな。
レンタルのモデムがIPV6対応なので利用申し込みしてみました。切替日が楽しみ!使用中のインターネットの速度は: 160Mbps. お使いのインターネットの速度はどのくらいですか https://t.co/bL7eLj629o
— 石井 道夫@免疫力高め (@michifuga) July 17, 2020
ヨドバシカメラマルチメディアAkibaのSoftbank 5Gってこれかな?
速度はまあ…#5G #基地局 pic.twitter.com/BaEWilWpiT— ぼーだふぉn(Big) (@RMI_5G) September 29, 2020
現時点ですでに、5Gの速度は光回線よりも速いです。
2.スマホ1台で利用できる
5Gは工事の必要なく使用できるため、スマホやWiFiルーターの契約のみですぐに使い始めることができます。
光回線を使用するためには、回線事業者に依頼してから1~2か月ほど工事を待たなくてはいけません。
工事の費用の目安は15,000円~25,000円ほどです。
一方で5Gは、時間や費用が掛かる工事をせずに利用を始められます。
また、光回線は自宅のWiFiルーターから電波が届く範囲でなくては使えません。
しかし、5Gは端末を持ち歩くことができるため、場所を選ばず使用可能です。
自宅よりも外出先で通信回線を使用することが多い人に向いています。
3.オンラインゲームを快適にプレイできる
5Gならばダウンロードの時間を短縮でき、協力プレイやチャットのやりとりなどもストレスを感じずにプレイ可能です。
光回線よりも5Gは速度が速く遅延がありません。
そのため、リアルタイムでやりとりを行うオンラインゲームに向いています。
オンラインゲームは、大容量データのダウンロードをすることも多いでしょう。
ストレスなく、プレイを楽しめます。
3.光回線と比較した場合の5Gの7つのデメリット

5Gには魅力的な面がたくさんあるものの、光回線と比較してデメリットも存在しています。
速度が速くなる新しい技術だからと5Gに乗り換えてしまう前に、注意すべき点を把握しておきましょう。
本項目では、5Gと光回線を比較しながら以下の7つのデメリットについて解説します。
1.対応エリアが限定される
5Gは2020年からスタートした新しいサービスのため、対応しているエリアはごくわずかです。
そのため、自宅や職場などで常に5Gを使えるのは一部の人となります。
3キャリアの5G対応エリアは以下の通りです。
キャリア | 対応エリア |
ドコモ | 全国150か所のスポット |
au | 15都道府県の一部スポット |
ソフトバンク | 7都道府県の一部スポット |
5Gは、各キャリアのショップや大型観光施設や駅など、人が多く集まる場所でのみ使用可能です。
5Gに対応した基地局が全国に普及するには、まだ時間を要するといわれています。
一方で光回線のカバー率は95%と、日本に住むほとんどの人が使用できます。
2.通信制限がある
光回線の多くは、通信制限はありません。
しかし5Gでは、4Gと同様に通信制限が設けられています。
キャリア3社の5G対応プランはどのように設定されているか、見てみましょう。
キャリア | プラン名 | 通信制限 |
ドコモ | 5Gギガホ |
無制限(2020年10月段階) |
au | データMAX 5G | 無制限 |
ソフトバンク | メリハリプラン | 50GB |
ドコモの「5Gギガホ」では2020年10月現在、通信無制限のキャンペーンを行っています。
しかし、キャンペーンが永続的に続くとは限りません。
また、無制限に使用できるauは、スマホを親機として使用するテザリングの使用に30GBの制限をつけています。
光回線の場合、一部を除き通信制限はありません。
3.利用者が増加すると速度が遅くなる可能性
5Gは同時多数接続が可能であるものの、利用者の増加によって速度が遅くなる可能性があります。
多くの人が同時に接続した場合、5Gの特徴を活かし続けられないことも考えられます。
5Gは始まったばかりのサービスのため、利用者が増えた未来では何が起こるか予測できない点もデメリットです。
4.対応端末が限られる
5Gを使用する場合、対応する端末を購入する必要があります。
お手持ちのスマートフォンには対応していない可能性があるため、確認しましょう。
また、iPhoneは2020年10月現在、5Gに対応していません。
以下に、各キャリアの5G対応端末をまとめました。
≪ドコモ≫
- Galaxy S20 5G SC-51A
- AQUOS R5G SH-51A
- Xperia 1 II SO-51A
- LG V60 ThinQ 5G L-51A
- Galaxy S20+ 5G SC-52A
- arrows 5G F-51A
- Wi-Fi STATION SH-52A(※WiFiルーター)
≪au≫
- AQUOS zero5G basic DX SHG02
- AQUOS R5G SHG01
- Xperia 1 II SOG01
- Galaxy S20 5G SCG01
- Galaxy S20+ 5G SCG02
- Galaxy S20+ 5G BTS Edition SCG02
- Galaxy S20 Ultra 5G SCG03
- OPPO Find X2 Pro OPG01
- Mi 10 Lite 5G XIG01
- ZTE a1 ZTG01
≪ソフトバンク≫
- OPPO Reno3 5G
- AQUOS R5G
- ZTE Axon 10 Pro 5G
- LG V60 ThinQ 5G
未だ5G対応の機種は少ないものの、順次、対応端末が発売されています。
最新の情報は公式サイトや店頭で確認してください。
5.料金が高くなる
5Gの料金プランは、光回線と比較して高いです。
光回線とキャリア3社の5Gの料金プランを比較していきます。
通信回線 | 料金プラン | 料金(ひと月あたり) |
光回線 | 一戸建てタイプ | 5,000円~6,000円 |
マンションタイプ | 4,000円~5,000円 | |
5G | ドコモ「5Gギガホ」 | 7,650円 |
au「データMAX 5G」 | 8,480円 | |
ソフトバンク「メリハリプラン」 | 8,480円 |
ご覧の通り、光回線と比較しても5Gは料金が高いです。※割引等適用前の料金
5Gの料金は、4Gの料金プランに500円~1,000円ほど上乗せされています。
6.有線接続ができなくなる
5Gは、これまでの4Gと同様に無線接続です。
無線接続はどこへでも持ち運べる反面、通信状態が不安定な面があります。
どうしても途切れさせたくないオンラインゲームやリモート会議などがある場合は、光回線の有線接続が向いています。
7.テザリングを利用するとスマホへの負担が大きくなる
テザリングはスマホ本体への負担が大きいため、バッテリーに大きな負担がかかります。
5Gの速さをパソコンやタブレットで使用するために、5G対応スマホを親機にしてテザリングをしたいと考えている方もいるでしょう。
しかし、バッテリーへ負担をかけることは、スマホの寿命を縮めてしまう行為です。
また、5Gデータ無制限のプランであっても、テザリングには制限を設けられています。
5Gは、常時接続して活用する方法には向いていません。
4.自分に合った回線を利用しよう

5Gと光回線を比較して、どちらか一方に乗り換えする必要はありません。
5Gは新しい通信回線として注目されるものの、安定化しておらず、利用できるエリアはごく一部です。
対して、光回線は国内での利用者が比較的多い安定したサービスで、5Gにはない魅力がたくさんあります。
それぞれにおすすめできるのは以下の人です。
- 5G……自宅や職場が5G対応エリア・端末を持ち歩いてインターネットを使いたい
- 光回線……自宅や職場が5G対応エリアではない・端末を持ち歩くことが少ない
注意点として、5Gが実際に自宅などでどのくらい使えるのかは未知数であり、今は一部のスポットでしか使用できません。
いずれ5Gのサービスが普及し、全国で利用できるようになった場合に改めて乗り換えを検討してみましょう。
例えば、現在回線速度などに不安がある場合は、光回線の変更をおすすめします。
回線速度の早い光回線としては、以下の回線への乗り換えが選択肢として考えられます。
光回線 | 回線速度 | 提供エリア |
nuro光 | 最大2Gbps |
・北海道(札幌市周辺) ・関東(東京/神奈川/埼玉/千葉/茨城/群馬/栃木) ・東海(愛知/静岡/岐阜/三重) ・関西(大阪/京都/兵庫/滋賀/奈良) ・九州(福岡/佐賀) |
auひかり | 最大1Gbps | 全国 |
docomo光 | 最大1Gbps | 全国 |
Softbank光 | 最大1Gbps | 全国 |
現状では光回線を使用している人は、廃止してまで5Gに乗り換えることはおすすめはできません。
そのため、自分に合った回線を選ぶことが重要だといえます。
まとめ
5Gは、2020年から本格的に始まった新しい通信回線サービスです。
通信速度が速い・回線が混雑しないなどの特徴があり、多くの人々から期待されています。
しかし、5Gはまだ安定したサービスとは言い難く、光回線と比較しても多くの注意点があります。
そのため、自宅で安定した通信回線を使いたい場合には、光回線から乗り換える必要はありません。
仮に光回線の速度などに不満がある場合は、別の会社に乗り換える方法がおすすめします。
そして、5Gを取り巻く状況は、常に変わっています。
新しい情報をチェックしながら、自分にとって最適な通信回線を選びましょう。