スマートフォンの購入から数年経つと「最近、充電速度が遅くなったな」と感じることがあるでしょう。充電が遅いと不便ですし、ストレスを感じてしまいますよね。
結論から言いますとスマートフォンの充電速度を速くするには、バッテリー交換や急速充電器の購入がおすすめです。
この記事では、スマートフォンの充電速度が遅い原因や遅くなったときの対処法を紹介しますので、充電速度が遅いと感じる人はぜひ実践してみてください。
充電速度を速くする方法を知ることで、スマートフォンをより快適に利用することができます。
目次
スマホの平均的な充電時間はどのくらい?

スマートフォンの充電が遅く感じるけれども、通常はどれくらいの時間で充電が完了するのか気になりますよね。
スマートフォンの平均的な充電時間は、充電の仕方やバッテリーの劣化の度合いにより異なりますが、約2~3時間というケースが多いです。
このことから、充電時間が3時間を越えたら「平均より遅くなっている」と判断できます。
iPhoneとAndroidの充電時間の違いは?
スマートフォンのiPhoneとAndroidの充電時間に違いはあるのでしょうか。
モバイルテクノロジーメディアのphoneArenaの調査によると、電源アダプターの出力電力ごとのiPhone12の充電時間は、次のとおりとなりました。
電源アダプター出力電力 | 100%充電完了までの時間 |
5W | 3時間19分 |
12W | 2時間35分 |
18W | 1時間42分 |
20W | 1時間40分 |
65W | 1時間42分 |
出典:Yes, your old 18W adapter charges the iPhone 12 as fast as the new 20W charger|phoneArenar
比較表をみると、20Wからワット数を上げても、充電速度は変わらないことが分かります。
これは、iPhone12に搭載されている充電制御機能によるもので、ある一定量の充電が完了すると、バッテリーの劣化を防ぐため電圧と電流を制御するのです。
その結果、iPhone12の充電時間は最速1時間40分であることがわかります。
では、次にAndroidの充電速度を見てみましょう。Xperia 5 IIIとGalaxy Z Fold3の充電時間を調べたところ、結果は次のとおりとなりました。
android 機種名 | 100%充電完了までの時間 |
Xperia 5 III | 2時間10分 |
出典:取扱説明書[SO-53B]|docomo/取扱説明書[SC-55B]|docomo
この2つの機種の充電速度は、最大45W出力の急速充電器【ACアダプタ 08】を使用したときの充電速度となります。
機種によって異なりますが、Galaxy Z Fold3はiPhoneよりも充電時間は10分早く、Xperia 5 IIIは30分ほど充電速度が遅いことが分かります。
このことから、最新機種のiPhoneとAndroidの充電速度を比べると、さほど変わらないと言えますね。
スマホの充電が遅い5つの原因

購入時は気にならなかったスマートフォンの充電速度ですが、使用年数が経つにつれて「遅くなったな」と感じることもあるかもしれません。スマートフォンの充電が遅くなってしまうのには、次の5つの原因が考えられます。
- スマホのバッテリーの寿命
- スマホが熱を持っている
- 充電する環境の気温の影響
- スマホがウイルスに感染した
- スマホの充電器やケーブルの不具合
それでは、1つずつみていきましょう。
原因1:スマホのバッテリーの寿命
スマートフォンのバッテリーの寿命により、充電時間が遅くなります。
スマートフォンのバッテリーにはリチウム電池が使用されており、充電回数300~500回が寿命の目安です。
充電頻度にもよりますが、年数に換算すると約2~3年程度でしょう。スマートフォンを購入してから年数が経っている場合は、バッテリーの寿命により充電が遅くなっている恐れがあります。
原因2:スマホが熱を持っている
スマートフォンが充電中に熱を持ってしまうと、内部の「セーフティ機能」が作動し、充電が低速になることがあります。 スマートフォンが熱を持ってしまう原因は次のとおりです。
- 充電しながらスマートフォンを操作
- バックグラウンドで複数のアプリを起動
- 充電する環境の気温の影響
- スマートフォンを直射日光にさらしている
セーフティ機能は、バッテリーに使用されているリチウム電池の劣化を防ぐために搭載されている機能の1つです。
リチウム電池は熱に弱く、大体45℃以上で劣化してしまいます。
そのため、バッテリーの劣化を防ぐためにある一定の温度になると、スマートフォンの温度を下げようとバッテリーへの給電を一時的に止めたり、充電速度が低速になったりします。
原因3:充電する環境の気温の影響
スマートフォンは熱を持ったときだけでなく、低温下でも充電速度が低速になるので注意が必要です。
スマートフォンのバッテリーに使用されているリチウム電池は、0℃から35℃の温度範囲内での使用が推奨されています。
リチウム電池は0℃以下の低温下で充電すると、内部抵抗が大きくなり、充電可能な容量が一時的に小さくなる特性があります。
そのため、ある一定の容量で充電がストップしてしまうのです。
また、スマートフォンを低温下で充電しようとすると、高温下での使用と同じくセーフティ機能が作動することもあります。
原因4:スマホがウイルスに感染した
「ウイルス感染に感染するのは、パソコンだけ。」このように考えている人は少なくないでしょう。じつは、スマートフォンもウイルスに感染します。
スマートフォンがウイルス感染すると、バックグラウンドでウイルスやアプリが個人情報などのデータを外部に送信してしまう恐れがあります。
スマートフォンの充電中もウイルスがバックグラウンドで作動するので、充電時間も長くなってしまうのです。
パソコンと同じように、スマートフォンのウイルス感染の経路は、インターネットやメールです。
怪しいファイルを開いたり、サイトにアクセスしたりしないなど、スマートフォンを使用する際には、十分気を付けましょう。
原因5:スマホの充電器やケーブルの不具合
スマートフォンの充電器やケーブルに不具合が生じると、充電時間が遅くなってしまうことがあります。
充電環境やバッテリーに問題がなければ、まずは他の充電器を使用してみましょう。
他の充電器で充電できるようならば、充電器が故障している可能性が高いです。
故障した充電器を使用し続けると、発熱・発火の原因となりスマートフォンの故障や火災の原因になります。
故障が分かったら、他の充電器と混ざらないよう速やかに処分しましょう。 また、充電ケーブルの接触不良により、充電時間が遅くなっていることも考えられます。
充電ケーブルの中でも、コネクタ部分は断線が起きやすい箇所です。
目に見えないケーブル内部の痛みや断線により、電気が流れにくくなっていることもあるので、ケーブルを長く使用している場合は交換も検討します。
スマホの充電が遅いときに試したい5つの対処法

スマートフォンの充電時間が遅いと、常に充電を気にしながら過ごさなければならないことも。
ここからは、スマートフォンの充電速度が遅いときに、お金を掛けずに試せる5つの対処法をご紹介します。
- コンセントから直接充電する
- 部屋の温度を適温にする
- アプリの終了とスマホの再起動
- 充電ケーブルを正しく使う
- 充電ポートの汚れをとる
今すぐできる方法ばかりなので、充電が遅いとお悩みの人はさっそく試してみてください。
対処法1:コンセントから直接充電する
スマートフォンの充電をするときにパソコンから充電することはありませんか。
デスクワークの場合、パソコンで仕事をしながらスマートフォンの充電ができるので、とても便利な充電方法ですよね。
しかし、パソコンのUSBから流れる電流は、USBのバージョンによって異なりますが、電源アダプターからの電流の1/2~1/3程度だといわれています。
つまりパソコンからの充電時間は、コンセントからの充電の2~3倍の時間がかかるのです。
スマートフォンの充電を早くしたいのであれば、パソコンよりもコンセントからの充電をおすすめします。
対処法2:部屋の温度を適温にする
スマートフォンのバッテリーに使用されているリチウム電池の適温範囲は、0℃~35℃です。
そのなかでも最適なパフォーマンスができる温度範囲は、16℃~22℃とされています。
とくに高温下での充電は、スマートフォンのバッテリー劣化に繋がるため、セーフティ機能が作動しやすく充電速度が低速になります。
部屋の温度を16℃~22℃と厳密に調節する必要はありませんが、極端に暑いまたは極端に寒い温度下での充電は避けるようにしましょう。
対処法3:アプリの終了とスマホの再起動
スマートフォンのアプリの終了と再起動により、充電時間を速めることができます。
スマートフォンのアプリがバックグラウンドで複数起動したまま充電すると、「充電しながらスマートフォンを操作している」ときと同じ状況となり、熱を持つ原因となります。
その結果、スマートフォンの内部の温度が上がり、セーフティ機能が作動しやすくなってしまうのです。
スマートフォンの充電を阻害しないよう、充電する前にアプリがバックグラウンドで作動していないか確認するようにしましょう。
またスマートフォンを起動し続けることにより、不要なタスクやキャッシュが溜まり続け、充電を阻害してしまうことがあります。
これらをまとめて削除するには、再起動が有効です。
対処法4:充電ケーブルを正しく使う
スマートフォンの充電速度が低速なのは、もしかしたら充電ケーブルの使い方が間違っているのかもしれません。
たとえば充電器のACアダプターが2.0Aの出力でも、使用しているケーブルが0.5Aだと0.5Aの電力しか供給できません。
充電器のACアダプターの性能の割には、充電速度が遅いなと感じたら、ケーブルのアンペア数を確認しましょう。
また、充電ケーブルの差し込みが不十分で、接触不良を起こしていることも考えられます。
充電前にケーブルの差し込みが十分か、またケーブルに断線はないか確認するのも忘れないようにしましょう。
対処法5:充電ポートの汚れをとる
スマートフォンの充電が遅いときに、意外と盲点なのが充電ポートの汚れによる接触不良です。
毎日持ち歩くスマートフォンの充電ポートは、知らず知らずのうちに埃やゴミが入り込んでしまいます。
充電ポートの汚れが溜まる前に、定期的に清掃をしましょう。
充電ポートに溜まった埃や糸くずを見ると、息を吹きかけたりつまようじで取り除いたりしたくなるかもしれません。
しかし、ムリに取り除こうとすると内部の精密機器を傷つける恐れがあります。充電ポートの清掃には、マイクロファイバーを使用した眼鏡ふきがおすすめです。
優しく埃やゴミを拭き取りましょう。 なお、湿らせた布でふくのは厳禁。 充電ポートに湿気が入り込むとサビの原因となり、充電ができなくなる恐れがあるので注意が必要です。
スマホの充電速度を速くする3つの方法

スマートフォンの充電が遅くなったときに試したい対処法をご紹介しましたが、短縮できる充電時間には限界があります。
ここからは、スマートフォンの充電速度を速くする3つの方法をご紹介します。
- バッテリー交換やスマホの買い換えをする
- 急速充電器を使用する
- 急速充電対応ケーブルを使用する
それでは1つずつ見ていきましょう。
バッテリー交換やスマホの買い換えをする
スマートフォンの充電環境や充電器・ケーブルの不具合がなくても、バッテリーに寿命がきていたら、どんな対処法を試しても充電速度は速くなりません。
スマートフォンを購入して2~3年経過していて、充電速度が遅くなったと感じたら、バッテリー交換を検討しましょう。
また、バッテリーの寿命は使い方によって、3年以上持つこともあります。
その結果、スマートフォン本体の寿命とバッテリーの寿命が合致することも。 スマートフォン本体の寿命によって、充電速度が遅くなることもあります。
スマートフォンのバッテリー交換がよいか、買い替えがよいか迷ったときは、こちらの記事が参考になりますので、ご覧ください。
急速充電器を使用する
スマートフォンの充電時間を大幅に短縮したいならば、購入時に付属されている充電器ではなく、急速充電器の利用を検討しましょう。
たとえば、iPhoneに付属されている充電器は出力が5Wしかありません。
20Wの急速充電器を使用すれば、充電時間は半分以下も短縮されるのです。
つまり出力電力の大きな充電器ほど、短時間でスマートフォンの充電を満タンにすることができます。
ここでは、iPhone・Androidの両方に対応した急速充電器をご紹介します。
Anker PowerPort III 3-Port 65W Pod

出典:Anker PowerPort III 3-Port 65W Pod|Amazon
2つのUSB-CポートとUSB-Aポートが付いているので、スマートフォンやノートPC、タブレットなど幅広い機器の急速充電が可能です。
合計最大出力は65W。2つのUSB-CポートとUSB-Aポートを同時に使用した場合でも最大40W・12W・12Wの出力があります。
過電圧保護や電子回路のショート防止、温度管理など安全に使用するための独自技術を採用しています。
CIO-PD20W2C / CIO-PD20W1C1A

USBポートを2口搭載した世界最小の急速充電器です。
500円玉サイズでありながら、1ポートあたりの最大出力は20Wとパワフル。
USB-Cが2口付いているタイプ(CIO-PD20W2C)と、USB-CとUSB-Aが1口ずつ付いているタイプ(CIO PD20W1C1A)の2つから選べます。
2口同時充電するとCIO-PD20W2Cの場合、合計最大15Wと制限されるものの、iPhoneとAndroidのスマホを2台同時に問題なく充電できます。
急速充電対応ケーブルを使用する
最大出力の多い充電器を使用しても、ケーブルが急速充電に対応していなければ、充電時間は短縮されません。
むしろ対応していない安いケーブルを使用し続けると、電流や電圧をコントロールできず、スマートフォンが壊れる恐れがあるので注意
が必要です。 また対応していたとしても、ケーブルの先端は抜き差しで断裂しやすいので、定期的に破損がないかチェックしましょう。
ここでは、iPhone・Androidそれぞれに対応したケーブルをご紹介します。
【iPhone向け】CIO USB-C to ライトニング充電ケーブル

出典:CIO USB-C to ライトニング充電ケーブル|Amazon
先ほど紹介した世界最小の急速充電器を開発したCIOが提供しているLightningケーブル。
柔らかいシリコン素材のケーブルですが、耐久性の検証では、30,000回の折り曲げの負荷に内部だけでなく外装にも変化がないタフな作りになっています。
MFi認証Lightningケーブルなので、純正品との機能の違いもなく安心して使えるのも嬉しいポイントです。
【Android向け】MPA-ACYS12NBK

エレコムが提供しているMPA-ACYS12NBKは、取り回しがしやすく丈夫で柔らかいUSB Type-Cの耐久ケーブルです。
電力出力3.0Aで、急速充電器から供給される電流をスムーズにスマートフォンのバッテリーへ流すことができます。
端子部分はサビに強い金メッキピンを採用しているので、安全に長く使うことができるのも嬉しいポイントです。
スマホの充電が遅い原因を把握しストレスを解消しよう!

スマートフォンの充電時間は、機種や充電環境にもよりますが、平均2~3時間です。
充電に3時間以上かかるときは、「充電速度が遅くなっている」と判断してよいでしょう。
充電速度が遅い原因は次の5つが挙げられます。
- スマホのバッテリーの寿命
- スマホが熱を持っている
- 充電する環境の気温の影響
- スマホがウイルスに感染した
- スマホの充電器やケーブルの不具合
まずは今すぐできる対処法から実践し、それでも充電速度が変わらない場合は、充電器やケーブルの交換も検討しましょう。
なお、スマートフォンを購入してから2~3年経過しているのであれば、端末自体に不具合が生じていて充電が遅い可能性もあります。
そのような場合は、機種変更や端末の買い替えがおすすめなので、こちらの記事を参考にどちらが自分に合っているかを確認してみてくださいね。