月々の携帯料金がいまより安くなるなら、乗り換えたいと思っていませんか。
電話番号を引き継いでの乗り換えに必要だったMNP転出手数料は、基本的には無料になりました。そのため、携帯電話の乗り換えのハードルはぐっと下がったと言えるでしょう。
しかし、不用意な乗り換えは費用が余計にかかる場合があります。乗り換えるなら、2年契約などの縛りがある人は更新月に行いましょう。また、締め日である月末に手続きするのが、コストダウンのポイントです。
この記事では、携帯電話を乗り換えるためのベストなタイミングをご紹介します。契約状況を確認して、スムーズに低コストで乗り換えましょう。
目次
1.携帯電話の乗り換え(MNP)について
通常、いままで使っていた携帯電話を解約して、別の会社と契約すると、電話番号が新しくなります。
しかし、多くの人は、いま使っている携帯電話の番号を、乗り換え先でもそのまま使いたいと考えているでしょう。その際に必要なのが、MNP(モバイルナンバーポータビリティ)という仕組みです。
ここでは、MNPについての基礎知識をお伝えします。
MNP(モバイルナンバーポータビリティ)とは
MNP(Mobile Number Portability・モバイル ナンバー ポータビリティ)とは、いま使っている携帯電話を解約すると同時に電話番号引き継いで、乗り換え先の事業者に同じ電話番号で契約する仕組みのことです。
「格安スマホへ乗り換えたいけど、いま使ってる番号を変えたくない!」という人には、必須の手続きと言えるでしょう。
MNP転出手数料とは
MNP転出手数料とは、電話番号を引き継いだ携帯電話の乗り換える際にかかる手数料で、3,300円(税込)ほどです。
しかし、2020年12月18日、総務省は「携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドライン」(MNPガイドライン)を改正し、各通信事業者へ、MNP転出手数料の原則無料化を求めました。
その結果、2021年4月からは基本的に、MNP転出手数料は無料となっています。このMNP転出手数料無料化の流れも、乗り換えのハードルが下がった要因と言えるでしょう。
ただし、店頭での対面や電話での手続きは、1,100円(税込)以下の手数料がかかる場合もあります。
2.乗り換え(MNP)のタイミングは月末!なぜ?
乗り換え(MNP)自体は、いつでも可能です。でも乗り換えるなら、月初めよりも月末がよいと聞いたことはありませんか。
なぜ、月末の乗り換え手続きがおすすめと言われるのでしょうか。それは、解約する月と契約する月に、日割り計算が行われるかどうかに関係しています。
解約月は日割り計算を行わない
基本的に携帯電話事業者の締め日は、月末です。その場合、解約は月初めでも月末でも、その月の利用料が丸ごとかかります。
つまり、月初めの1日しか使わずに解約しても、月末ギリギリの解約でも、日割り計算を行わずに、同じ月額料金が請求されるのです。
締め日に関して、たとえば、ソフトバンクの場合は10日締め、20日締め、月末締めの3つの締め日があります。自分の締め日は、「My SoftBank」へアクセスすると確認できます。
あなたが現在契約しているキャリアの締め日がいつか、確認してみましょう。
MNP転入先は日割り計算がほとんど
一方、転入先の契約月の料金はどうなるのでしょうか。
こちらは、日割り計算で請求する事業者がほとんどです。新規で申し込むなら、あまり影響はないでしょう。
しかし、月初で乗り換える場合は、乗り換え前の携帯の月額料金が全額かかってしまうため、月額料金がほぼ二重にかかることになります。
こういった事情から、できるだけ月末に乗り換える方がお得だと言われるのです。
3.乗り換え(MNP)に必要な費用
MNP転出手数料は無料となりましたが、他にも費用がかかるときがあります。
たとえば、携帯電話事業者との契約状況によっては、解約の際には契約解除料・違約金が必要です。また乗り換え先と契約するときには、契約事務手数料が必要な場合があります。さらに、所持している端末が支払い途中の場合はそのまま未払い分を支払わなければなりません。
ここでは、乗り換え(MNP)の際にかかる、基本的な費用を解説します。
契約解除料・違約金
MNP転出手数料は0円になったものの、他に契約解除料や違約金がかかる場合があります。
どの携帯電話事業者も現行のプランの場合は、2019年の電気通信事業法改正により、契約解除料は1,100円(税込)以下に規制されています。これは1万円ほどかかってた以前とくらべると、ずいぶん安くなったと言えます。
ただし、現在使っている携帯電話の契約タイミングによっては解約金が1万円以上かかることもあります。契約中のキャリアに問い合わせて確認しましょう。
ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの解約金の詳細を紹介します。
ドコモの「解約金留保」とは
ドコモの場合は、独自の「解約金留保」という仕組みがあります。
定期契約プラン(いわゆる2年縛り)の契約期間内に解約すると、解約金が必要です。しかし、定期契約プランから解約金のないプランに変更したとしても、変更前プランの契約期間が維持されます。
そのため、変更前プランの契約期間内に解約すると、保留されていた解約金が請求されてしまいます。
この解約金保留は、定期契約プランの新規受け付け停止とあわせて、2021年秋をめどに廃止が検討されています。
現状、ドコモから乗り換えを検討する際には、「My docomo」で契約状況をしっかりと把握しておくべきでしょう。
auとソフトバンクの場合
auとソフトバンクの場合、解約金を留保するようなことはありません。
ただし、2年契約などの旧プランのままの場合、更新期間月以外の解約では10,450円(税込)の契約解除料・違約金が発生する場合があります。
回避策は、旧プランから現行プランに変更して、契約解除料を抑えたり、無料にしたりすることです。
こちらもドコモ同様、乗り換えを検討する際には「My au」「My Softbank」などで、契約内容をチェックしてから対策を考えましょう。
契約事務手数料
新たな携帯電話会社や格安SIM・MVNO事業者と契約する際に、契約事務手数料がかかります。
契約事務手数料は、3,300円(税込)に設定している場合がほとんどです。しかし、オンラインでの申し込みは無料、店頭申し込みは有料としているところもあり、各事業者によって異なります。契約に進む前に、一度確認しておきましょう。
スマートフォンなどの端末代金
所持しているスマートフォンなどの端末を分割払いにしていて、まだ払い切ってない場合は、引き続き残金を支払う必要があります。
残りの端末代金を支払い方法は、分割払いか一括で支払うのか2つです。しかし、その端末代金に割引が適用されていた場合、契約解除することで、残りの端末代金に割引の適用がされないこともあります。
支払いが終わってからの乗り換えはスムーズですが、残金がある状態での乗り換えは、解約前に契約内容をチェックしておくことが重要です。詳しくは、端末を購入した事業者に確認しましょう。
4.乗り換え(MNP)のおもな流れ
携帯電話の乗り換え(MNP)にあたって、おもな流れを解説します。
基本的には、契約中の会社でMNP予約番号を発行してもらい、乗り換え先の会社と契約を結ぶことになります。
スマートフォンやタブレットなどの端末は、SIMロック解除済み、またはSIMフリーのものを用意します。また、乗り換え先の事業者と契約するタイミングで購入することも可能です。
格安SIM・MVNO事業者の場合、選べるスマートフォンの種類が少なかったり、端末の販売自体がなかったりします。乗り換え先でどの端末を使うのかも含めて、乗り換えを検討しましょう。
MNP予約番号を取得する
まず契約中の携帯電話会社で、MNP予約番号を取得しましょう。
オンラインや電話、店頭にて無料で取得できます。この時点では解約したことにならないので、スマートフォンなどはいままでどおり使えます。
MNP予約番号は、発行してから15日以内と使用できる期間が決まっています。乗り換え先で手続きをする際、「MNP予約番号は、10日以上期限のあるもの」といった具合に、残り日数に条件があるので注意しましょう。
MNP予約番号の期限が過ぎたり残り少なくなったりしたときは、無料で再取得も可能です。
必要な書類をそろえる
MNP予約番号のほか、新たな事業者に申し込みする際に必要な書類をそろえましょう。
ほとんどの場合、本人確認のための書類と支払い方法を確認できるクレジットカードが必要となります。
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 支払いに必要なクレジットカードやキャッシュカード、通帳など
本人確認書類には、運転免許証やマイナンバーカードなどを用意します。本人確認のため、顔写真や氏名、生年月日、現住所が確認できるものが必要です。もし、確認ができないと審査に通らず、再度提出しなおすことになります。
速やかに乗り換えを進めるためにも、どんな書類が必要なのかは必ず確認しましょう。
オンラインでの申し込みの場合、支払いはクレジットカードのみというところが多いです。
口座振替にしたい場合、店頭なら対応していることもあるので、申し込みの前に支払い方法も確認しておきましょう。
契約を申し込む
乗り換えをする携帯電話会社や、格安SIM・MVNO事業者へ加入の申し込みをします。店頭での申し込みならその場の手続きだけで開通まで可能です。
また、オンラインでの申し込みにも対応しています。申し込みからSIMカードの送付までに、2日から数日かかる場合があるので注意してください。
5.携帯のおすすめの乗り換え先

現在大手キャリアの携帯電話を利用している人は、乗り換えによって毎月の固定費を下げられる可能性が高いです。
おすすめの携帯電話の乗り換え先としては以下の3つが考えられます。
- 楽天モバイル
- Y!mobile
- ahamo
それぞれ詳細を確認していきましょう。
楽天モバイル

楽天モバイルは、楽天が提供する格安SIMとなっており、月額料金の安さと無制限のデータ容量が魅力です。
料金プランは1つだけで、さまざまなプランから自分に合うものを選択する手間がかかりません。
月額利用料金は使用したデータ量に応じて変更となる仕組みになっており、データ使用量が3GB以内であれば1,078円で利用できます。
20GB以上データを使用しても月額利用料金は3,278円となっており、大手キャリアと比較すると利用料金が安くなる可能性が高いです。
データの使用量は無制限となっており、安心して利用することができます。
楽天モバイルの詳細について気になる人は以下より詳細をご確認ください。
Y!mobile

Y!mobileはソフトバンク回線を使用しているため、安定した通信速度が期待できる格安SIMです。
データ使用量に応じた3つのプランから1つを選ぶ形になっており、最大25GBのデータ容量を月額4,158円で利用することができます。
また、Y!mobileは家族で加入すると2回目以降の月額料金が1,188円割引になる点が特徴です。
この場合は、プランによっては、楽天モバイルより月額料金が安くなるため、家族で乗り換えを検討している人にY!mobileはとくにおすすめとなっています。
Y!mobileの詳細が気になる人は以下より内容をご確認ください。
ahamo

ahamoはドコモがオンライン専用で提供している料金プランです。
月額2,970円(税込)で20GBまで利用ができ、ドコモの回線を使用しているため、通信速度も安定しています。
2022年6月からは1か月100GBの大盛りプランも提供されており、毎月の通信量が不安だった人も安心して利用できるようになりました。
大盛りプランの月額料金は4,950円となっているので、月の通信量が多いという人は加入を検討するとよいでしょう。
ahamo大盛りについて詳細が気になる人は以下のリンクより詳細をご確認ください。
6.乗り換え(MNP)の注意点
乗り換え(MNP)に関してもっとも注意したいのが、乗り換え先の開通日が、解約する携帯電話会社の解約日になることです。
店頭窓口での乗り換えは、月末の最終日に解約して、その日のうちに次の事業者と契約するのがお得です。しかし、当日は混雑が予想されます。そのため、事前の来店予約がおすすめです。
オンラインを利用する場合は、申し込み日から開通手続きまでに、2日から数日かかることがあるので併せて確認しておきましょう。
店頭窓口の混雑が予想される
契約中の携帯電話会社を解約して、その日のうちにすぐ次の事業者と契約するのがお得になるということを狙って、月末の最終日は店頭窓口が混みあうことが予想されます。
そのため、他の日よりも長く待たされたり、処理に時間がかかることもあるでしょう。
確実に対応してもらうためには、インターネット予約などを利用して、来店予約をしておくことがポイントです。
MNP転入先の開通日が解約日になる
MNP転入先の開通日が、解約した会社の解約日になります。店頭のみで乗り換え手続きを済ませる場合は、解約とあわせて次の契約も当日中にするべきです。
もし翌月1日が回線開通日となってしまった場合、旧キャリアの解約日が翌月の1日になります。その結果、日割り計算を行わない解約月分すべての利用料金を負担することになるでしょう。
オンラインでの申し込みの場合は、申し込みから少なくとも2~3日、場合によりそれ以上かかることをふまえて、手続きを進める必要があります。
7.乗り換え(MNP)のよくある質問
乗り換え(MNP)に関して、よく聞かれる質問をまとめました。
携帯電話のキャリアメールは使えなくなるのか、乗り換え先でも同じスマートフォンを利用することができるのかなど、実際に乗り換えるときに気になるポイントでもあるでしょう。
- 携帯電話のメールアドレスは使えなくなる?
- いま使っているスマートフォンを乗り換え先でも使う方法は?
- 乗り換えの最中に端末が使えなくなる期間はある?
上記3つについて、お答えしていきます。
疑問を解消して、クリアな気持ちで乗り換えましょう。
携帯のメールは使えなくなる?
携帯電話のメール、つまりキャリアメールは、別の会社への引き継ぎができません。
キャリアメールとは、次のような携帯各社が用意している独自のメールアドレスです。
- ドコモ @docomo.ne.jp
- au @ezweb.ne.jp
- ソフトバンク @softbank.ne.jp
- ワイモバイル @ymobile.ne.jp
キャリアメールをそのまま移行する要望はあるものの、実現はまだまだ先のようです。
ショッピングサイトやApple IDなど、キャリアメールで登録しているものは、解約して使えなくなる前に、すべて他のメールアドレスに変更しておく必要があります。
キャリアメール以外のメールアドレスを持っていないという人は、GoogleのGmailや、Yahoo!メールといったフリーメールサービスを利用しましょう。
そのメールアドレスを使って、キャリアメールで登録しているサービスを変更していきます。
人によっては、たくさんの変更作業が生じてかなりの手間がかかるでしょう。乗り換え(MNP)を検討しているのなら、メールアドレスの変更作業は、時間があるときに先行してやっておくとよいかもしれません。
いま使っているスマホはそのまま使える?
新たにスマートフォンを購入するのではなく、いま使っているものをそのまま使うことができます。その場合、SIMロックがかかっていないSIMフリー、またはSIMロック解除済みの端末であれば可能です。
SIMフリー端末やSIMロック解除済みの端末ではない場合は、乗り換え先がどのキャリアの回線を使っているかを確認してみましょう。
どのキャリアの回線か確認する
格安SIM・MVNO事業者の場合、基本的に3大キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)のいずれかの回線を借りて、サービスを提供しています。
格安SIMを扱うMVNO事業者のMVNOとは、「Mobile Virtual Network Operator(仮想移動体通信事業者)」という意味です。
たとえば、いままでドコモを使っていて、乗り換え先の格安SIM・MVNO事業者がドコモの回線を使って提供しているのであれば、いま使っている端末をそのまま使える可能性は高いです。
どの回線を使っているのか、また、動作確認済みの端末情報は各通信事業者で公表されているので、事前にチェックしましょう。
SIMロック解除
もうひとつの方法は、SIMロック解除です。
SIMカードに、特定のキャリアしか使えないようにカギをかけている状態を、SIMロックといいます。
SIMロックの解除には、各社対応機種や条件に細かい規定があるので。使っている端末が、SIMロック解除の条件をクリアしているのか確認しましょう。
SIMロック解除のお手続き | スマートフォン・携帯電話をご利用の方 | au
ソフトバンクの携帯電話を他社で利用する/SIMロック解除 | スマートフォン・携帯電話 | ソフトバンク
「My docomo」、「My au」、「My SoftBank」から確認、解除することもできます。SIMロック解除手数料は、基本的にオンラインなら無料、店頭なら3,300円(税込)です。
楽天モバイルで購入した製品の場合は、全てSIMフリーのため、SIMロック解除は不要ですよ。
切り替えの間は携帯が使えない?
店頭窓口でその日のうちに解約と加入申し込みを済ませるのなら、携帯が使えないのは切り替え手続きの間で済むでしょう。
たとえば、オンラインで格安SIMを申し込んだ場合、本人確認が完了した後、SIMカードが発送されます。届くまでに早くて2日から数日かかり、その間、通話やインターネットが使えなくなるでしょう。いわゆる、空白期間です。
MNP転入先の開通日が、解約した会社の解約日になってしまうため、月をまたがないよう、余裕をもって申し込む必要があります。
乗り換えのタイミングは月末や更新月がお得!
乗り換え(MNP)について、お得なタイミングをご紹介しました。
自分が契約しているプランの内容と状況により違いはありますが、更新月の月末や締め日のタイミングを見計らうことがポイントです。また、店頭とオンラインでは契約にかかる時間や金額が異なるでしょう。
格安SIMなど、窓口がオンラインのみというところも増えています。「インターネットからの乗り換えは難しいのでは?」と思っている人も、実際にやってみると、簡単に申し込めるものです。
現在大手キャリアを使用している人は格安SIMに乗り換えることで毎月発生する固定費を削減できる可能性があります。
月額利用料金が安く、料金プランもシンプルな楽天モバイルはとくにおすすめとなっているので、気になる人は以下のリンクより詳細をご確認ください。