電波状況を改善するため、ルーターを2台に増やしてみようかと考えてはいないでしょうか。とくに戸建の1階と2階の電波状況に悩まされている人もいますよね。
ルーターを2台設置することには、メリットもありますがデメリットもあります。また、電波自体が強くなるわけではなく、性能がよいルーターへの買い替えや中継器の導入のほうが効率的な場合もありますよ。
この記事ではルーターを2台設置した場合のメリット、デメリットや設置する際の注意点を紹介していきます。
ルーターを2台導入することへのメリット、デメリットを理解し、場合によってはルーターの買い替えや中継器の導入を検討することで、インターネット環境を快適にしましょう。
ルーターを2台設置するメリット

Wi-Fiの電波状況を改善するために無線LANルーターを2台導入した場合、以下のようなメリットが考えられます。
- 電波の届く距離が広がる
- デバイスの接続台数が増やせる
- ルーターにかかる負荷を分散できる
電波の届く距離が広がったりデバイスの接続台数が増やせたりと、電波状況の改善に役立ちそうな項目が挙がっていますね。
一つひとつ見ていきましょう。
電波の届く距離が広がる
ルーターを2台導入することで得られるメリットの1つとして、中継器のように使用することにより電波の届く範囲を広げられることがまず挙げられます。
Wi-Fiの電波は壁や床など遮蔽物に弱いため、戸建ての1階と2階で電波状況が変わってしまうことに悩まされている人も多いのではないでしょうか。
そのような場合に、家のどこにいても電波が届くようになるのは、嬉しいメリットですよね。
デバイスの接続台数が増やせる
ルーターの増設をおこなうことで、デバイスの接続台数が増やせることも、ルーターを2台導入するメリットと言えるでしょう。
ルーターには、スペックによってそれぞれ接続できるデバイス台数の上限が決まっています。接続上限が10台までのルーターを、条件を整えて2台導入することで、接続台数を20台まで増やすことも可能なのです。
パソコンやスマートフォンなど、同時に複数のデバイスを安定して接続したい場合には、大きなメリットと言えますよね。
無線LANルーターにかかる負荷を分散できる
ルーターを2台設置するメリットとして、ルーターにかかる負荷を分散できることも挙げられます。
ルーターが2台あることで、データの処理にかかる負荷がそれぞれ分散されます。データが正常に処理される環境が整うことで、回線の安定や通信速度の向上にも繋がっていきますよ。
ルーターを2台設置するデメリット

無線LANルーターを2台設置することによりさまざまなメリットがありましたが、場合によってはデメリットになる部分もあります。
具体的には以下のような点がデメリットとして考えられるでしょう。
- 設置する際の設定が難しい
- 回線が不安定になる
- 電波干渉が起きてしまう
- 費用がかかる
メリットだけでなく、デメリットの部分もしっかり理解しておきたいですよね。
それぞれ具体的に解説していきます。
設置する際の設定が難しい
ルーターを2台接続する際に考えられるデメリットとしてまず挙げられるのが、設置する際の設定が難しいという点です。
ルーターを2台設置する場合に、2台ともルーターモードのままで使用してしまうと、接続先が2つできてしまいます。そのため、お互いのルーターの管理設定を細かくおこなう必要性があるのです。
ここがうまく設定できないと、最悪はインターネットに繋がらなくなってしまうこともあります。機械に強くない人にとっては、負担に感じられる部分かもしれません。
回線が不安定になる
2台のルーターの設定がうまくいかず接続先が2つある状況は、「2重ルーター」とも呼ばれます。
2重ルーターの状態だと、接続する通信回線を決める「ルーティング」が複数回おこなわれることになり、通信速度の低下や不安定な回線状況に繋がってしまいますよ。
ルーターを2台設置しても電波状況が改善しない原因として、「2重ルーター」になっていることは多いようです。
電波干渉が起きてしまう
近隣が使用しているWi-Fiの電波と干渉して、回線が不安定になってしまった経験はないでしょうか。
ルーターを2台設置した場合も、それぞれのルーターの電波干渉が発生し、回線が不安定になることがあります。
設定を正しくおこなったとしても電波干渉は起きてしまいます。設置場所の工夫で回避できることもあるので、気を付けてみてください。
費用がかかる
ルーターが1台余っている、買い替えたので古いルーターがある場合などはよいですが、新しく2台目のルーターを購入するとなると当然費用がかかります。
また、設定が自分でうまくできず業者に頼んだ場合は、設置費用もかかってくるでしょう。
ルーターは5000円前後が平均的な価格といわれています。2台目のルーターを導入する際は、費用面もよく検討してみてくださいね。
ルーター2台の接続方法

ルーターを2台接続する際には、どのような手順でおこなえばよいのでしょうか。
ここからは、実際にルーターを2台接続する際の方法について解説していきます。
- 2台のルーターをLANケーブルで繋ぐ
- 1台目のルーターを接続し起動する
- 1台目のルーターをブリッジモードで起動する
流れにそって1つずつ詳しく見ていきましょう。
1.2台のルーターをLANケーブルで繋ぐ
まずは、インターネット回線と2台のルーターの接続をおこないましょう。接続は以下の方法でおこないます。
- 1台目のルーターのInternetポートに回線のLANケーブルを繋ぐ
- 1台目のルーターのLANポートと2台目のInternetポートをLANケーブルで繋ぐ
LANポートとは、基本的にはWi-Fiが使えないパソコンをインターネットに接続する際に使用するものですが、別のルーターも接続できるようになっています。
2台目のルーター接続時には必ず1台目のLANポートと2台目のInternetポートを繋ぎ、Internetポート同士を繋ぐことがないよう注意してくださいね。
2.1台目のルーターを接続し起動する
次に、以下の方法でメインとなる1台目のルーターを起動して設定していきます。
- ルーターを起動する
- 2.4GHzと5GHzのどちらが動作しているかを設定から確認する
- 2.4GHzの接続を切る
- 5GHzのSSIDとパスワードを設定する
1台目のルーターが回線のデータの処理をおこなう親機となるため、きちんと設定をしましょう。
3.2台目のルーターをブリッジモードで起動する
最後に、2台目のルーターの起動を以下の方法でおこなっていきます。
- 2台目のルーターをブリッジモード(機器によってはAPモード)に切り替える
- 起動して2.4GHzと5GHzのどちらが動作しているかを確認する
- 5GHzの接続を切る
- 2.4GHzのSSIDとパスワードを設定する
ブリッジモード(APモード)に設定することで、2台目はルーターとしての機能が停止し、中継器としての役割に切り替わります。回線を安定させるためにも必要な作業になってくるので、2台目をブリッジモードに切り替えてから起動させるようにしてくださいね。
また、1台目と2台目とでは別の周波数に設定することもポイントです。電波干渉を防ぐことができますよ。
周波数の切り替えや確認、SSIDとパスワードの設定などは使用している機器によっても変わってくるので、取扱説明書や公式のホームページを確認してからおこないましょう。
ルーター2台を接続する際の注意点

ここからは、ルーターを2台接続する際の注意点やポイントを紹介していきます。
- 親機となるルーターはスペックの高いほうを選ぶ
- 1台はルーターモードをオフにする
- 電波が不安定なときはチャンネル設定をする
- 並列接続時は電波を分ける
- 買い替えや中継機の導入も検討する
ルーターを2台接続したのに効果が発揮されなかったり、より電波が不安定になってしまったりする事態は避けたいですよね。
接続時にはこれらの点を意識してみてください。
親機となるルーターはスペックの高いほうを選ぶ
ルーター2台のそれぞれのスペックが違う場合は、スペックの高いほうを親機に設定しましょう。
インターネットに繋げるデータの処理は、親機がおこないます。通信程度の低下を避けるためにも、ルーターの役割をこなす親機側のスペックには注意を払ってみてくださいね。
1台はルーターモードをオフにする
ルーターを2台設置する場合は、1台はデータの処理をおこなう親機として、もう1台は中継器の役割として接続することになります。
このときに、中継器側になるルーターはルーターモードをオフにしましょう。ルーターモードをオフにすることで、1台はブリッジモード(メーカーによってはAPモード)という、インターネット回線をただ受け渡すだけの状態に切り替わります。
2重ルーターの状態を避けるためにも大切な作業になってくるので、必ずおこないましょう。
電波が不安定なときはチャンネル設定をする
設定がうまくいっているのにも関わらず電波が不安定なときには、電波が干渉している可能性が考えられます。
このような場合は、接続するチャンネルの設定を変えることで状況が改善されることもありますよ。
チャンネルとは、通信に用いる周波数を指定するための機能です。同じ周波数を分割してチャンネルによって区切ることで、接続できる電波を増やし干渉を防いでいます。
チャンネルの設定方法は各機種によって異なるため、取扱説明書やメーカーのホームページで確認してみてくださいね。
並列接続時は電波を分ける
1階と2階にルーターを設置し、並列で接続している状態のときには、それぞれの干渉を避けるために電波を分けて使用するようにしましょう。
例えば、1階は2.4GHzの周波数、2階は5.0GHzの周波数といった具合です。使い分けることで電波が不安定な状態になるのを防ぐことができます。
注意点として、ルーターによっては2.4GHzしか使えないものもあります。購入時にどの周波数に接続できるのか、確かめてから買うのがおすすめですよ。
買い替えや中継機の導入も検討する
デバイスの接続台数を増やしたり、電波の届く範囲を広げたりしたいときには、スペックの高いルーターに買い替えることで改善されることもあります。
また、戸建てで1階と2階の電波状況に悩んでいる際には、どちらかの階に中継機を設置するのも1つの手かもしれません。
中継機とは、Wi-Fiの電波を中継してより遠くまで飛ばすための通信機器のことです。価格の面でも、新しくルーターを購入するより安く導入できる場合もあるので、ぜひ検討してみてください。
もしそれでも改善できないようであれば、利用中の回線のスペック自体が低い可能性があるので、回線を乗り換える必要もあります。
戸建てにおすすめの安い光回線をこちらの記事でご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ルーターを2台置くメリット、デメリットを理解し、インターネット環境を快適に!

ここまで、ルーターを2台設置する場合のメリット、デメリットや、設置する際の注意点などについて紹介してきました。
ルーターを2台設置するメリットを改めてまとめると、以下のような点が挙げられます。
- 電波の届く距離が広がる
- デバイスの接続台数が増やせる
- 無線LANルーターにかかる負荷を分散できる
また、デメリットとしては以下のような点が考えられるでしょう。
- 設置する際の設定が難しい
- 電波干渉が起きてしまう
- 回線が不安定になる
- 費用がかかる
このように、ルーターを2台設置することには、メリットもありますがデメリットもあります。
また、電波自体が強くなるわけではなく、性能がよいルーターへの買い替えや、中継器の導入のほうが効率的な場合もあります。
ルーターを2台導入することへのメリット、デメリットを理解し、場合によってはルーターの買い替えや中継器の導入を検討することで、インターネット環境を快適にしましょう。