スマートフォンやパソコンなどでインターネットを利用しているとき、回線速度を測定して「2Mbps」と表示されても、この速度が速いのか遅いのかよく分からないですよね。
2Mbpsの速度があれば必要最低限の作業はこなせますが、オンラインゲームやファイルのダウンロードには不充分なので、必要に応じて回線速度をあげる対策をしたほうがよいでしょう。
この記事では、2Mbpsでできること、できないことや、通信速度を改善させるための対策を紹介します。
参考にすれば、極端に遅い速度制限に悩まされることはなくなるでしょう。
そもそも2Mbpsとは?

2Mbpsは「2Mega Bit Per Second」の略で、1秒あたりで送ることができるデータの容量を示します。数字が大きいほど、より大容量のデータを高速で通信可能です。
速度の単位は「1,000bps=1Kbps」、「1,000Kbps=1Mbps」というように1,000倍ずつ変わります。
1ビットはデータ通信の最小単位で、1桁の2進数の0か1を伝達できることを意味しています。データ量を数えるときはバイトという単位を用いるのですが、「8ビット=1バイト」となるので、2Mbpsであれば毎秒250キロバイトのデータ量ということになります。
なお、データ通信の速度はアップロードつまり送信の際の速度である「上り」と、ダウンロードつまり受信の際の速度である「下り」で速度が異なるのが一般的。通信速度を確認するときは、両者の違いにも注意しましょう。
2Mbpsでできること、できないこと

2Mbpsは高速とは言えませんが、ビデオ通話や低画質の動画視聴、Webサイト閲覧など、ある程度の機能は使用可能です。一方で、ゲームや大容量のデータダウンロードなど、より高速なデータ通信が必要とされる用途も少なからず存在します。
ここでは、2Mbpsでできること、できないことを簡単に整理しました。自分が日常的におこなう作業が2Mbpsでこと足りるのか確認してみましょう。
2Mbpsでもできること
次のような作業は、2Mbpsでもこなすことが可能です。
作業 | 必要とされる速度 |
メールやSNSのメッセージ受信 | 128Kbps〜1Mbps |
WebサイトやSNSの閲覧 | 1Mbps〜10Mbps |
動画視聴(YouTubeなど) | SD 480p(低画質)の場合1.1Mbps |
出典:快適なインターネット回線速度は?速度計速報や遅い時の対処方法を解説|nojima
メールやSNSのメッセージ受信は、問題なくこなせます。また、画像が少ない記事やサイトであればWebサイトやSNSの閲覧も可能。ただし、多数の画像や動画が埋め込まれたコンテンツの場合はダウンロードが遅くなるケースもあります。
動画視聴も画質を落とせばある程度は視聴できます。ただし、たとえばYouTubeの4K設定では20Mbps程度が必要となるなど、高画質にするとたちまち速度不足になります。
ビデオ通話については多くのツールでは速度不足になりますが、Skypeは相対的に低速環境でも使用しやすく、1.5Mbps程度でもビデオ通話に耐えられます(注1)。
2Mbpsでは困難なこと
一方で、次のような作業は2Mbps程度では快適におこなうのは困難で、通信速度を改善させる対策が必要になります。
作業 | 必要とされる速度 |
動画視聴(YouTubeなど) |
2.5Mbps |
オンラインゲーム | 30Mbps〜100Mbps |
アプリやデータのダウンロード | データサイズによる |
出典:快適なインターネット回線速度は?速度計速報や遅い時の対処方法を解説|nojima
動画視聴も中程度の画質以上になると、2Mbpsで快適に視聴するのは困難に。Zoomなどのビデオ通話サービスも、さきほど紹介したSkype以外は動画つきで快適に使用することはできません。
また、オンラインゲームは少なくとも30Mbps必要なため、ほとんどのゲームにおいては速度不足となります。
アプリやデータのダウンロードの可否については、データサイズによります。しかし、1秒間で2Mbps=250キロバイトなので、たとえば100メガバイトのデータダウンロードに7分以上かかる計算になります。
現代は100メガバイト以上のアプリも多いので、2Mbpsだとスムーズなアプリダウンロードは困難な速度と言えるでしょう。
通信速度が2Mbpsだったときの対策

2Mbpsで困難な作業をおこなう機会が頻繁にある人は、通信速度を改善させる対策を検討するとよいでしょう。
家であれば光回線を導入すれば解決できますし、外出先でも高速通信を利用したい人にはポケットWiFiの併用もおすすめです。
一方で、オンラインゲームなどをやらないので、低速で充分という人は、あえて格安SIMに乗り換えて通信料を節約する方法もあります。
光回線に乗り換える
固定回線である光回線は通常下りで最大1Gbps(=1,000Mbps)など、2Mbpsより大幅に高速通信が可能です。この数値は最大値であるため、時間によっては表示速度よりは低速となる可能性はありますが、それでも戸建てであれば2Mbps程度になることはあまりありません。
もし現在ADSLのままであったり、スマートフォンしか通信手段がなかったりする場合には、光回線を利用するのも一案です。
ただし、集合住宅では一つの回線を複数件で使用するため、通信速度が遅くなるケースもあります。賃貸住宅の場合は自分で回線工事をおこなうのも困難な場合が多いので、既存の光回線が2Mbps程度の速度しか出ない人は、次に紹介するポケットWiFiを検討しましょう。
ポケットWiFiを併用する
外出先でも高速通信を利用したい人や、光回線を導入していても通信速度が遅いという人は、ポケットWiFiを併用するとよいでしょう。
ポケットWiFiのなかでも速度は契約先やプランによって異なりますが、現代では速度制限にかからない限り2Mbpsよりは高速通信が可能な契約先がほとんどです。5G回線であれば2Gbpsをこえる高速通信に対応しているものもあります。
低速でよいなら格安SIMで使い放題にする方法も
そもそも自分の用途を踏まえると高速通信は必要ない、という人はあえて低速の格安SIMを契約することで、通信料を抑えて一定程度の通信速度で使い放題の環境を整えるのも一案です。
スマートフォンの速度制限は128Kbpsや1Mbps程度に減速するケースが多いですが、以下の記事をご覧いただくと分かるように128Kbpsでは快適にネットを利用することができません。
一方、1Mbpsであれば中画質なら動画視聴もできるほどになります。詳しくは以下の記事をご覧ください。
そのため、使用用途によってはそこまでの高速通信が必要なく、低速の格安SIMで満足できる場合もあるのです。
たとえば、mineoは「パケット放題plus」に加入すれば、1.5Mbpsでデータ通信が使い放題です。
基本料金 | 880円~2,178円(いずれも税込) |
5Gデータ通信容量 | 1GB~20GB |
パケット放題plusの料金 | 月額385円(税込) ただし10GB~のコース利用なら無料 |
出典:料金表|mineo
月額わずか税込1,185円(基本料金880円+パケット放題plus385円)で通信速度1.5Mbpsのデータ通信が使い放題となります。高速通信を求めていない人は、契約を検討するとよいでしょう。
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通信速度が速いおすすめのポケットWiFi5選

通信速度への対策として、多くの人にとってはポケットWiFiの利用が便利でしょう。ほとんどのポケットWiFiは2Mbpsより大幅な高速通信が可能ですが、ここではなかでもおすすめのポケットWiFi契約先を5つ紹介します。
- 縛りなしWiFi
- Mugen WiFi
- GMOとくとくBBWiMAX
- Fuji Wifi
- UQ Mobile
自分にあったポケットWiFi選びの参考にしてください。
1.契約期間の縛り有無を選べる「縛りなし WiFi」

出典:縛りなしWiFi
- 契約期間の有無を選ぶことできる
- 下りで最大1.2Gbpsと高速通信が可能
- 最小のデータ容量でも40Gbと十分なデータ通信量
縛りなしWiFiは契約期間の縛りがない「縛りなしプラン」と契約期間を1年もしくは3年で縛る「縛っちゃうプラン」があります。2Mbpsでは遅すぎるが、継続的に利用するか不透明な人は、まず縛りなしプランで利用してみるのもよいでしょう。
縛りなしWiFIは下りで最大1.2Gbpsの高速通信が可能。これは1,200Mbpsとなるため、2Mbpsの600倍の通信速度に相当します。高速通信が求められるオンラインゲームなどでも安心して利用できます。
この高速通信を、最もリーズナブルなプランでも40GB/月使えます。40GB、50GB、60GBの3プランが設定されているので、自分の使用頻度をふまえて適切なプランを選びましょう。
縛りなしWiFiの特徴まとめ |
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価格 |
契約期間なし「縛りなしプラン」:3,366円〜3,630円 1年契約「1年縛っちゃうプラン」:3,190円〜3,300円 3年契約「3年縛っちゃうプラン」:2,926円〜3,080円 (全て税込) |
データ通信上限 |
40GB〜60GB/月 |
回線 |
WiMAX/LTE |
通信速度 (下り・最大) |
1.2Gbps(1,200Mbps) |
出典:月額3,630円(税込)で契約期間縛りなし契約期間縛りなし!|縛りなしWiFi
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2.大手キャリア3社の回線を使える「Mugen WiFi」

出典:Mugen WiFi
- クラウドSIMのため多くの地域でつながりやすい
- 100Gbと大容量のため高速通信を頻繁につかう人でも安心
- 30日間お試し利用のシステムがある
Mugen WiFiは通信速度は下りで最大150Mbpsなので、ポケットWiFiとしては際立って高速というわけではありませんが、それでも2Mbpsの75倍の速度です。またクラウドSIMのため、その場所でもっともつながりやすいキャリアに接続してくれて、全国の多くの場所で通信環境が安定しやすい特徴があります。
月のデータ通信量の上限は100GBと大容量。オンラインゲームなどで高速かつ大容量のデータ通信を頻繁におこなう人でも安心です。
Mugen WiFiでは、30日間のお試し利用のシステムがあり、30日で返却した場合には全額利用料が返金されるため、費用がかかりません。150Mbpsの通信速度に満足できるか、利用してみて確認したい人にもおすすめです。
Mugen WiFiの特徴まとめ |
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価格 |
3,438円(税込) キャッシュバック10,000円を受け取りかつ2年間使用した場合 |
データ通信上限 |
100GB/月 |
回線 |
LTE |
通信速度 (下り・最大) |
150Mbps |
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3.auユーザーにお得な「GMOとくとくBBWiMAX」

出典:運用実績20年以上のおトクなプロバイダー|GMOとくとくBB
- データ通信上限なしのプランを提供
- 複数の特典によりお得に利用できる
- auのスマホ割プランを併用するとauユーザーは割引
GMOとくとくBBのうちWiMAX +5Gでは、高速通信のデータ通信上限がありません。混雑時には臨時で速度制限がかかる可能性はあるものの、月あたり、日あたりの通信量は気にせず利用できます。
最新機種でも端末代が無料、月額料金が3年間にわたり割引される、プラスエリアモードの利用料が3年無料となるなど、さまざまな特典が用意されています。すべてを最大限利用すれば総額95,964円の割引となります。
GMOとくとくBBWiMAXでは、auスマートフォンとのセット利用により月額税込1,100円の割引となります。auのスマートフォンユーザーにはとくにおすすめです。
GMOとくとくBB WiMAXの特徴まとめ(+5Gのプラン) |
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価格 |
最初の24か月:4,158円(税込) 25か月目~:4,708円(税込) |
データ通信上限 |
無制限 通信混雑時には一時的に速度制限がかかる可能性あり |
回線 |
WiMAX/LTE/5G |
通信速度 (下り・最大) |
2.7Gbps(2,700Mbps) |
出典:WiMAX +5G(ワイマックス)ギガ放題プラス|【公式】GMOとくとくBB
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4.データ通信量のバリエーションが豊富な「FUJI WiFi」

- レンタルサービスなので利用期間を月ごとに柔軟に選択できる
- 月200GBの大容量まで多様なプランを提供
- 106か国の海外利用が可能
FUJI WiFiはポケットWiFiのレンタルサービスですが、月次での利用プランが主体のため、利用期間の上限などはないので、継続的に利用することも可能。月次契約を更新できるため、柔軟に利用期間を選択できます。
データ通信量の上限が30GB~200GBまでと豊富なプランが用意されています。使用頻度に応じて適したプランを選ぶことができます。
また、SIMなどを入れ替えることなく、106か国での海外使用に対応。1週間で数百円~千円程度で使用できるので、海外旅行などが多い人にもおすすめです。
FUJI WiFIの特徴まとめ |
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価格 |
3,410円~5,995円(いずれも税込) *1日利用の料金プランを除く |
データ通信上限 |
30~200GB/月 |
回線 |
LTE |
通信速度 (下り・最大) |
150Mbps |
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3.高速通信にこだわりたい人におすすめの「UQ WiMAX」

出典:UQ WiMAX
- 5G対応エリアでは2.7Gbpsの高速通信
- データ通信上限なしのプランを提供
- 実店舗で契約可能なので、丁寧なサポートが受けられる
UQ WiMAXは5G対応エリアでは2.7Gbpsの高速通信が可能。オンラインゲームや大容量データのダウンロードなども安心して利用できます。
またUQのギガ放題プラスは、従来3日で15GB以内となっていたデータ通信量の上限が撤廃され、いまは日あたり、月あたりともに上限がありません。データ使用量を気にせずに、高速通信をおこなえます。
UQは近年の格安SIMやポケットWiFiでは珍しく、実店舗UQスポットを構えています。契約に際して丁寧な説明を受けたい人や、不明点などを対面で相談したいという人にもおすすめです。
UQ WiMAXの特徴まとめ |
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価格 |
最初の2年間:4,268円(税込) それ以降:4,818円(税込) |
データ通信上限 |
無制限 *ギガ放題プラスの場合。ただし通信混雑時には一時的に速度制限がかかる可能性あり |
回線 |
WiMAX/LTE/5G |
通信速度 (下り・最大) |
2.7Gbps(2,700Mbps) |
出典:超高速モバイルネット WiFiサービスはUQ WiMAX|【公式】UQ WiMAX(ルーター)
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2Mbpsの通信速度で不満なら必要な対応を

2Mbpsという通信速度はメッセージの送受信やWebサイトの閲覧、低画質の動画視聴などは可能です。しかし、Zoomなど多くのビデオ通話、アプリやデータのダウンロードやオンラインゲームを快適にこなすのは困難です。
これらの作業を頻繁におこなう人は、光回線の接続やポケットWiFiの併用により通信速度を高速化させるのがおすすめ。とくにポケットWiFiなら外出先でも高速通信が使えるため便利です。
この記事をふまえてポケットWiFiの契約を検討する人は、今回紹介したおすすめの契約先も参考にしてみてください。
出典:
注1 Skypeヘルプページ|Skype